この急須は王紅娟氏＊の作品で、この急須はかぼちゃの魅力を体現しています。蓋や持ち手はかぼちゃの蔓をモチーフにしており本物そっくりです。注ぎ口はかぼちゃの葉で包まれ緑色の泥で作られた細部の精緻なつくりに目をみはる一品です。 この急須を見ていると物語が見えてきます。 双色のかぼちゃの急須は、秋の風景に溶け込む美しい器でした。その急須は、茶人の手によって丁寧に作られ、古い茶室で大切に使われていました。ある日、茶人が友人を招いてお茶会を開くことになりました。友人たちは、急須の美しさに驚き、その双色のかぼちゃのような形状にうっとりと見入っていました。茶人は急須に茶葉を入れ、湯を注ぎました。急須は静かに湯を吸い込み茶葉の香りが広がりました。友人たちはその香りに魅了され口に含んだお茶を楽しんでいました。「この急須はかぼちゃのように温かくて優しい気持ちを運んでくれるようだね」と友人が言いました。茶人は微笑みながら急須を手に取り、その美しい色合いを愛でました。その双色のかぼちゃの急須は、茶人と友人たちの心を温め季節の移ろいを感じさせてくれました。 ＊王紅娟（女）： 1967年宜興市の陶芸家の家に生まれ、幼少の頃から紫粘土アートの影響を受け紫粘土作品の制作に携わる。長年研究を重ね、中央美術工芸院で学んだ彼女の作品は伝統的かつ革新的であり、専門誌に何度も発表し陶芸コンクールで数々の賞を受賞。彼女の作品の形、魅力、面白さは絶妙で、全体的なレイアウトは仮想的かつ現実的、伝統的な中国の緻密な絵画の興味深いレイアウトを体現しており、鮮やかで独特の個性を持っている。彼女の作品は国内外の人々に深く愛され、収集されている。 材料：この古い紫砂は王氏の家族が長年保管してきたもので、10年以上前に宜興黄龍山鉱山から採掘された原紫砂から精製されている。鉱石の鉄分が多く器の胴体は明らかな二重気孔構造になっており、空気の対流がスムーズで長期間使用すると徐々に切れ味が出て大きな変化が現れ、急須を育てるのに適した材料である。 吐水口：16穴 容量：330cc±10 全幅：17cm 口幅：5.5cm 高さ：8.3cm 材料：紅清水，老紫泥 成型：全ハンドメイド 専用箱及び急須袋付。