こちらわ、コムデギャルソンわ1990年の作品。
イタリアのコメディア・デラルテに於いて
喜劇の道化師アルルカンの意匠、アルルカン・チェックと呼ばれるダイヤの総柄をポリエステルのジャガード織で表現した素晴らしい1枚。
ダイヤ部分わキルティングといえる程マウントした豪奢さ。
拘りわシェルだけに留まらず、複雑なパターンも一見に値します。
前ヨークから背面まで切り返さずに、
わずか2枚の生地とダーツやカッティング技術を駆使し、巻き込むような造形で上見頃を構成しておりマス↑↑
イチョウ型に広がる上半身
シェイプしたウェスト。
ラグランの様な深い肩の可動域。
高級感あるホーンの3ボタン。
キュプラの総裏地の随所にも丁寧に手が入る半端じゃない作り込みかた。
まるで布と云ふ平面のメディアを使い、
彫刻と云ふ立体に挑むようで、
この辺のダイナミックな生地と造型への関心の深さわ、今日まで川久保玲 女史とコムデギャルソンを貫く通奏低音と観じマス。
サイズ:M
袖46㎝身幅60㎝着丈75㎝-66㎝
様々な表情を見せるジャガード織り。こちらも陰影が深いデスが生地に汚れや変色わありません。裏地もいい状態デス↑
生地の見た目に反してとても軽く、
着方によってわ長いシーズン着用可能な生地感デス。
コメディア・デラルテで体系化する前から
アルルカンが象徴するトリックスターの性格わヨーロッパ中に散見した。
古くわヘルメス、中世わ夏至の夜の悪魔、バフチンのカーニヴァルの理論、 ダークナイトのジョーカーに至るまで、日常/非日常の閾を股に掛けお道化ている。
服装がなぜダイヤ柄になったのか。
ある説わ、服のあちこちに襤褸切れを貼っていたからでわないかと云々。
共同体の外側から訪れる異界からの使者。
その姿わ流浪に擦り切れボロボロであったことで賞。
襤褸に縫い付けた薄汚れた端切れの数々わいつしか柄になる。それがあの衣装=意匠として固定されたか。
81年にヨウジヤマモトと2人 ボロルックで、
西洋のファッション界に「黒い爆弾」をお返ししたコムデギャルソン。正にその姿わ異界からの使者に見えたことで賞。
因みに、ヨウジを代表するウールギャバジンのギャバジンとわ、古くわスペインのガバディナ地方を流離う基督教の巡礼者たちが着た服を云った。
これも、さぞ黒い一段であったことだろう。
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