同手皿の銘より1879年(明治12年)～1890年(明治23年)に製作された、明治初期 香蘭社 染錦上絵金彩秋草文24.5cm皿を出品致します。 ※銘に赤絵での蘭マークは1875年～1880年に香蘭社 8代深川栄左衛門が用いたマークです。それ以前は香蘭社設立前のため用いられておりません。また赤蘭だけでなく染付の蘭マークもあり年代判定が極めて難しく、慣れてない方では容易ではないでしょう。 香蘭社は明治8年(1875年)4月に深海墨之助、辻勝蔵、手塚亀之助、8代深川栄左衛門によって設立されました。これは日本最初の陶磁器製造会社です。社名の香蘭は心を1つにする君子の交わりに喩えられ、また西洋で磁土をカオリンと呼ぶことに音が似ている事で名付けられました。設立の要因は明治維新による海外輸出の機会拡大、1873年のウィーン万博への出品実績を経て、来る1876年フィラデルフィア万博への参加に向けて有志が結集した組織発足に至ります。 さて、本作は上手の上手に入る、輸出や万博出展のため製作された可能性の高い見事な意匠を施した八代深川栄左衛門の作品です。 秋草文は深川栄左衛門の好んだ意匠の1つになります。 蝶や草花の緻密な絵付、濃淡の上手さ、構図も非常に良く滅多に市場にでない優品で、入手自体不可能に近い作品です。 150年前のお皿ですが、金彩のスレも驚く程なく、割れ欠けといった瑕疵もありません。保存状態も極めて良い未使用に近い名品です。 寸法は24.5cm×高さ3.0cmです。 こちらは同手の銘有を確認しています。写真最後に銘ありと銘なしを添付しておきます。個人的には銘なしのほうがシュッとした描き方になっており好きです(銘ありは売り切れのため現在持ち合わせておりません。) 同手ではありますが、銘ありと銘なしでは葉のグラデーションが若干違うデザインです。わざと入れなかったのかどうかは不明ですが、間違いなく香蘭社が制作したものです。 よろしくお願い致します。